あるゴルファーの日記@Thailand

タイに住んでいるあるアベレージゴルファーの日記です。

Recycling Issue of Security Profit & Loss

自分の専門の話。

自分は、どちらかというと現状のIFRSに対して非常にネガティブな印象を持っている。馬鹿のように言い回しが複雑でとても実務家の使用に耐えられるようにできているとは思えない。一部の専門家のおもちゃのような印象で、理屈もわからず、文字面だけを追いその表面をなぞるだけのような実務となってしまっている。原則主義もなにもあったものではない。「原則」が原文を読んでもよくわからず、どうとでも取れる文章になっている。結果、裏話や設定の経緯を聞きかじっている「専門家」と呼ばれる人々が幅を利かすようになっているように思う。実際、これをネタに大手の監査法人は商売にしようと煽り、虎視眈々としているとのことだ。 この間、聞いた話では、バンコクでは税効果の仕訳1本きるだけで云十万バーツとのこと。。。大手監査法人の儲け主義もここまできたかとあきれるばかり。日本とちがって一時差異なんて数えるほどしかないのに。。。もっともそれが嫌で前の「会社」を辞めたわけではあるが、、、

そんな現状だが、この問題に関してだけは、日本の主張やマスコミの論調には時々疑問を感じていて、IASBの考えていることの方が正しいような気がする。背景には株式持合があるというのは正しい認識だが、そもそも持ち合いによる益出しという行為は、会計期間の会社の業績とは全く無関係だ。日本では従来から営業外損益特別損益という特殊な区分があり、経常利益が会社の経営成績をあらわし、当期利益が、会社の経営成績とは無関係の損益を含んだ包括的な利益をあらわすものととして扱われてきた。結果、実務上において、過去、営業外損益とするか特別損益とするかというくだらない議論を巻き起こし、会計士と会社との間でもコンフリクトを発生させてきたように思う。営業外損益特別損益の区分は非常にあいまい。同一の事象についてある会社では特別損益、別の会社では営業外損益として表示していたのを思い出す。これによって対外的な説明も大きく異なってしまう。思うに、この際、経常利益というものを廃止し、当期利益こそが会社の業績をあらわすということに概念を統一するべきであろう。これによって益出しは特別損益処理するのだから良いのではとかといった甘えも封殺できる。自社の配当他の関係で純資産を充実させたいのであれば、業績とは無関係にその他の包括利益として調整すれば充分であろう。現状で問題なのは持ち合いや益出しといった文化のない国の企業の財務諸表と比較した時に当期利益を比較したのでは業績比較として有効でないということ。根本的な当期利益に対する意識の差こそが、今回のリサイクルに関して議論を招いている本質のように思う。

IMG_0094.jpg