あるゴルファーの日記@Thailand

タイに住んでいるあるアベレージゴルファーの日記です。

KGBから来た男

アマゾンに大量発注した書籍を、夏休みで遊びに来た家族に届けてもらった。最近の夜の楽しみ。ビルエバンスのピアノを聴きながら、エスプレッソを楽しみ、ページをめくる。最近、テレビは朝のニュースくらいしか見ていない。

もともとストイックなハードボイドものは好きで、ハメットやチャンドラーは、ほとんど全作読んだ。この本の舞台は現代で、主人公はインターネットやIT機器を駆使する。ただ一方で、暴力、スパイスを含んだ会話やあばずれ女とのお決まりのやりとりは健在。最後は、定番通り、女が出て行ったあとの心理描写で終わっている。ちょっと残念なのは90年代のロシアの時代背景をあまりうまく理解しておらず、どうにも事の重大さが実感としてピンとこなかった点。ストーリー自身は単純。犯人捜しを目的に読むのであればあまりお勧めでない。(ラスボスは、結構すぐに察しが付く。)

こういう人間の生き様に若いころからあこがれていたわけだが、小説の中の話とはいえ、このストイックさの原動力はどこから来るものだろうと、以前は不思議に思っていた。40代も後半となった今、無目的感や絶望感の中で、否応なく、それを維持せざるを得ないのだということを、少しわかるような気がする。最近は、好きとか嫌いとかの問題でなく、自分もストイックな生活に埋没している。

まだ、大量の未読在庫を抱えている。次は何を読もうか。